いろいろな人がTwitterのアカウントをもって発信する時代になりました。あの著名人や企業のトップ、果ては大統領までツイートを繰り広げています。もちろん一番のボリュームは、一般の生活者たち。
なぜ、個人・法人・公人が、ここまでTwitterで発信する時代となっているのでしょうか? 「Twitterが選ばれる理由」と今後の可能性について、Twitter社でパートナーマネージャーとして活躍する岡本純一氏、エージェンシーパートナーの大澤宏輔氏、電通でTwitterモニタリングツール「バズウォッチ」を担当する谷内(やち)宏行氏、清水嶺氏の4人でオンラインでの座談会を行いました。
今、Twitterで何が起きているのか?
みなさんは長年Twitterに関わられてきて、ユーザー層や使われ方の変化をどう感じられていますか?
岡本:私がTwitter社に入社した2012年当時、企業はまだマーケティングやブランディングにTwitterを活用することに対してピンときていなかったようです。同じ2012年にロンドンオリンピックが開かれ、コーラで有名な飲料メーカーのスポーツドリンクで、水泳の北島康介選手を応援しようという案件があったんです。そこから少しずつ大手企業がTwitterを活用する事例が増えていったのかなと思います。
清水:日本では、2011年の東日本大震災の影響が大きかったですよね。このとき、「Twitterを見に行けば情報がある」ということが認知され、ライフラインのひとつとして使われるようになりました。
世界的に見れば、2013年のアメリカのスーパーボウルです。この試合中に30分ぐらいの停電が起きたんですが、その際、ある有名なクッキーの公式Twitterのツイートが評判になり、同年の「カンヌライオンズ」等、多くの広告賞を獲得しました。これをきっかけに「何かニュースが起きた時」に、いかに気の利いたコメントやメッセージを投げられるかが、企業の関心事になっていきました。
2015年ごろになると、「Twitterで今こんなことが話題になっている」と、メディアが追いかけるようになり、「どうバズらせるか」だけではなく、Twitterで情報を見つけたり、Twitterを起点に他メディアを設計したりするなど、Twitterとともにマーケティングコミュニケーションを組み立てるという視点が重視されるようになったと思います。
大澤:そうですね。あと、ひと昔前だと、テレビ局は「Twitterが使われると、視聴率が下がってしまうんじゃないか……?」という不安があったりと、あまりTwitterの利用に積極的ではありませんでした。しかし、今では「テレビを見ながらTwitterでツイートすること」が当たり前になって、「Twitterはテレビを能動的に楽しむもの」という共通認識ができています。Twitterで番組を宣伝して「テレビの視聴につなげる」という使われ方がどんどん広まっていますね。
岡本:その最たる例が、『天空の城ラピュタ』の「バルス」ですよね。テレビを見ながら、一斉に「バルス」とツイートするというアレです。ここで、テレビを見ながらツイートするユーザーがたくさんいることが顕在化しました。2013年には、1秒間に14万ツイートという世界最高ツイート数も記録しています(※)。これは日本以外では見られない現象なんです。
※出典:Twitterの秒間ツイート数世界記録が大幅更新、「バルス」で秒間14万件
このケースあたりから、Twitter上で「共通の関心事」をくっつけて、人とつながるムーブメント、いわゆる「ハッシュタグ活用」がトレンドになっていきます。たとえば、プロ野球ではそのチームのハッシュタグをつけてツイートすると、球場のスクリーンにツイートが流れるのもそうです
マーケティングの事例では、11月11日に毎年恒例で行われるチョコレート・スナック菓子のキャンペーンも、大きくバズっています。プロモトレンド(Twitterのトレンドリストの上部に24時間掲載できる広告)を打つことで、大きく売り上げを伸ばしたようです。
人を動かす「バズの力」とメカニズム
【Twitter社×バズウォッチ座談会】マーケティング担当者が“バズ”を理解するための基礎知識[前編]
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